①木取り

材を選択し、どの部分からどの部材を取るかを決定する作業。
作品の仕上がりを大きく左右する重要な工程です。
木の癖を読み、完成図をイメージしながら、作品の顔となる杢、部材と部材の木目のつながりを決めていきます。
一つの作品には原則、共木(ともぎ=同一の木から製材されたもの)を用います。
節や虫穴などの欠点をうまく外しつつ、希少な材をいかに活かしきるか、経験とセンスが問われます。
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養生
木取りから削りの工程の間、養生といって木を寝かせる「時間」も重要な役割を果たします。
木は加工を受ける度に、その組織の力関係や乾燥度合いが変化し、動くからです。木と対話しながら、工程は進みます。
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②削り
木取りされた部材から、必要な寸法に合わせ厚み、幅、長さを整える作業。
平面と直角を正確に出しながら、複雑な杢をもつ堅い材を平滑にするには、高い精度で調整された鉋が不可欠です。
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③ホゾ加工
接合箇所に合わせて、ふさわしいホゾを加工する作業。
さまざまなホゾの中から、部材のサイズと必要な強度に合わせて最適な方法を選択します。鑿(ノミ)や特殊な鉋(カンナ)など多種多様な道具を駆使し、部材と部材とが密着するよう精度の高い加工を施します。
江戸指物のホゾには、木の伸縮を見込んだ余地を作ると同時に反りを押さえる工夫がされています。
そこには、長年の伝統と精緻な技が込められているのです。
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④組み立て
まず、仮組みをしながらホゾの加減を紙一枚よりはるかに薄いレベルで調整していきます。
度重なる修正によってホゾの強度を落とさないために、最小限の修正で仕上がるよう、正確な加工が求められます。
その後、本組みとして接着し固めます。一般的な木工で使われる木工ボンドや旗金(ハタガネ)と呼ばれるクランプ、膠(ニカワ)や真田紐などを必要に応じて使います。
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⑤仕上げ
本組後に、面取りを行い、仕上げ鉋(かんな)で全体を削ります。
磨きの工程では、サンドペーパーの後、木賊(トクサ)や椋(ムク)の葉を用い、鏡のように磨き上げます。
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⑥塗り
江戸指物の塗りで代表的なものは、拭漆です。漆を塗っては拭いて乾かすという工程を何度も繰り返すことで、杢を際立たせ、しっとりとした手触りと光沢を生み出します。
また拭漆は、木の呼吸を妨げず、かつ使用によるキズや汚れから木を守ります。その他、作品の用途や使い方により、ウレタンやラッカーによる仕上げを選択することもあります。
塗りの工程は専門の職人である塗師(ぬし)に委ねられることも多く、彼らもまた、江戸指物の伝統を支える重要な役割を果たしています。
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⑦金物取り付け
取手、蝶番などの金具の取り付けを行います。
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⑧完成
最後に、全体の調子を確かめて完成となります。
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